CM音楽の制作で大事なこと
CM音楽は感情だ
CM音楽だけに当てはまることではありません。音楽は言葉であり、音楽は感情の動きでもあります。CM音楽プロデューサーは、限られた時間の中に、人の心を動かす要素を詰め込みます。そしてその心の動きそのものが、受け手へのメッセージとなります。
CM音楽は、多くの場合、映像と共にメッセージを運びます。CMにおいては音楽だけがメッセージを運ぶわけではありません。映像やナレーションと調和してメッセージを運ぶのです。
歌詞は感情に訴える最高の武器?
CM音楽の制作において、視聴者の心にダイレクトに響く感情、たとえば「うれしい」「悲しい」「幸せ」「愛」など、シンプルでダイレクトな感情は、CMのテーマとして響きやすいと考えられます。テレビのコマーシャルでは、キーワードとしてシンプルに歌詞に乗せてみると強いメッセージになります。この商品、このサービスを使っている時に、どんな感情を抱くだろうか?
楽曲に歌詞をつける場合、このような感情的な要素を歌詞にのせて運びます。ただ、考えすぎないことです。メッセージはシンプルに響かせることがもっとも大切です。
既に触れましたが、音楽だけでメッセージを響かせるのではありません。映像やナレーションとの調和により響かせるのです。
シンプルでキャッチーなメロディー。これはCM音楽における永遠のテーマかもしれません。自然に耳に入るメロディー、わかりやすい歌詞はいつでもインパクトがあります。
子供たちが口ずさむようになれば、最高のCM音楽だということができます。ここまでキャッチーなものを作ることはなかなかハードかもしれませんが、子供は嘘をつきません。ここまでくれば、CM音楽制作マスターと呼べるかもしれません。
CMには、ピアノやギター、ボーカルと、ベース、ドラムで構成されたシンプルな音楽が多く使われています。盗作はもってのほかですが、音楽の世界においては、ロックにしてもソウルにしても、好きなミュージシャンの影響を受けて曲作りをすることは当たり前のことです。
昔のCMは新しいアイデアの宝庫です。昔のテレビコマーシャルは、多くの場合、現在よりもシンプルな作りです。キャッチーなメロディー、わかりやすい歌詞。昔も今もCMの基本は変わりません。今はYouTubeなどの動画投稿サイトで昔のCMを自由に閲覧することができます。
CM音楽制作は音楽以外の知識や経験も要求される世界
CM音楽制作はビッグビジネスです。日本では、作曲家らがCM音楽制作の専門会社を立ち上げたことから、大きなビジネスとして成長してきたという歴史があります。クライアントの思い描いたイメージを、15秒から30秒という短い時間に映像と共にメッセージを込める。むずかしいタスクではありますが、時として莫大なお金が動きます。
CM音楽の制作において、クライアントの要望、イメージを的確に把握し、そのイメージに沿ったいくつかのアイデアを即座に出せることは、激しいコンペティションを勝ち抜く上で重要な要素となっています。そして感情に訴えるリズムやメロディー、シンプルな構成をいつも心にとどめておくとともに、昔のコマーシャルから学ぶことは大きなヒントを与えてくれるでしょう。
他のコマーシャルから学ぶことは、コピーすることではありません。インスピレーションや創造性を得ることが目的です。また、CM音楽制作では、人のつながり(ネットワーキング)も重要です。シンガーやミュージシャンたちとの密なつながりは、CM音楽制作ビジネスを成功させる上で欠かせない要素となっています。